精華町ほうその整骨院の院長キムラです。
これまでリスクの閾値を引き下げてきたのかもしれません。
その恩恵を一番受けていたのは製薬業界。
米国で策定された新たな高血圧の治療ガイドライン（指針）では、60歳以上の患者の血圧の目標レンジが緩和された。専門家委員会は、60歳以上の患者で血圧が150/90ないしそれ以上の場合に医師が血圧抑制薬を処方すべきだとの新指針を提言している。これまでの治療開始の数値は140/90だった。
この新指針では、糖尿病ないし腎臓病を患う20〜59歳の患者の治療開始の数値も140/90に引き上げられる。これまでの目標値は130/80だった。
その他の成人については引き続き、140/90が血圧抑制薬服用を検討する目安となる。
この新指針の提言は18日に米国医師会雑誌（JAMA）の電子版に掲載される。提言は、コレステロール値の管理に関する新たな指針が先月出されたのに続くもの。この新指針も「数値が低ければ低い方が良い」とする積極的なスタンスから後退する内容だった。
ただし、コレステロールに関する提言は、スタチンと呼ばれるコレステロール降下剤で治療を開始する引き金となる数値、つまりリスクの閾値（しきいち）を引き下げ、治療対象者とされるべき人の数を増やした。
高血圧とコレステロールの両方の提言で治療開始の数値が緩和されたわけだが、これは説得力のある証拠が得られていないことを反映している。具体的な 数値目標を達成すれば、死亡、心臓発作、脳卒中のリスクを有意に低減させるという確たる証拠が、精緻な臨床試験から得られていないのだ。専門家はまた、果 敢な目標値達成で得られる限界的恩恵が、医薬品の副作用や実証されていない治療の不要な実施によって相殺されかねないと懸念していた。
しかし、この新たな提言――とりわけ、高齢者の高血圧治療の目安を150に引き上げた点――については、JAMAに同時掲載された論説の中で、懸 念も表明されている。デューク大学臨床研究所の心臓医エリック・ピーターソン氏とその他2人の専門家は、ある大規模な臨床試験は、5年間にわたり収縮期血 圧（上の血圧）を155から143に低下させたところ、心臓発作やその他の心血管疾病が32％減る結果になったと指摘した。
年齢が上がるにつれ高血圧症のケースは増えるが、その増え方には性差がある（米疾病予防管理センターのデータから）
同氏らは「（血圧抑制薬投与の目安を引き上げる）今回の変更が、公衆の健康に悪影響をもたらすか否かは不透明だ」と述べた。米心臓協会（AHA）によると、7500万人以上の米国人が高血圧だと診断されており、うち約半数は医薬品で数値を140/90未満に抑えてい る。高血圧は高年齢になるほど、多く見受けられる。高血圧は心臓発作、脳卒中、糖尿病、それに腎臓病の主要なリスク要因の1つであり、血圧の制御はこう いった症状の中心的な予防策の1つだ。
新提言を中心になって作成したアイオワ大学病院のポール・ジェームズ博士は、最適な血圧の値は長年、自然つまり治療していない状態で120/80 未満だと考えられており、それは新指針でも変わらないと話す。同博士は「上の血圧が120の人の健康リスクは、130や140の人より小さい」が、投薬治 療と健康効果との明確な関連性はないと付け加えた。
血圧を抑制する上で最初に使われる戦略は、健康的な食事と運動習慣で、多くの患者に効果をもたらす可能性がある。新指針は医薬品による介入を開始すべき時期についてのみ扱っている。
クリーブランド・クリニックの心臓医リチャード・クラススキ博士は、今回の新提言の結果、医師や高齢の患者にとって血圧抑制の際により柔軟な対応 が可能になるだろうと述べている。同博士は「いずれにしても、目安が140から150に引き上げられれば、医師や患者が少し楽になるだろう」と話した。
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